IOC=国際オリンピック委員会は24日、パリで行われている総会で、今後の冬のオリンピック・パラリンピックの開催都市について、2030年大会はフランスのアルプス地域、34年大会はアメリカのソルトレークシティーとすることを決めました。冬の大会について2大会が同時に決定されるのは初めてです。
IOCは24日、パリで行われている総会の2日目で、今後のオリンピック・パラリンピックの開催都市について、候補地として一本化されていた2030年大会のフランスのアルプス地域、34年大会のアメリカのソルトレークシティーについて審議と投票を行いました。
30年大会のフランスのアルプス地域については、政府からの財政保証が得られていないことからIOCが設定する期限までに財政保証を確約することなどの条件付きとなりましたが、95票のうち84票を獲得し、開催地に決定しました。
投票のあとフランスのマクロン大統領は「大会の開催に向けて信頼してもらえたことに感謝したい。2030年まで計画の改善を続けていく」とあいさつしました。
また、34年大会のアメリカのソルトレークシティーは95票のうち83票を獲得し、2002年の大会以来、2回目の開催地に決まりました。
ソルトレークシティーが属するユタ州のコックス州知事は「前回の大会は私たちに特別なものを与えてくれた。今度はお返しがしたい。アメリカだけでなく世界全体をスポーツで一つにするために尽力したい」と喜びを表現しました。
冬の大会について2大会が同時に決定されるのは今回が初めてで、温暖化の影響で冬の競技を安全に開催できる都市が減少傾向にあることから早期に開催地を確保するねらいがあります。
2030年と34年の大会をめぐっては札幌市が招致を目指していましたが、3年前の東京大会の汚職・談合事件などの影響で市民の理解が十分でないことや、IOCが2大会の開催地を同時に決める方針を示したことを受け、招致を事実上、断念していました。
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